CVDSim SiC edition Add-on for ACE - Nov/2009 新機能等のご案内
CVDSim SiC edition(以下、CVDSim)とは、CFD-ACE+(ソルバー)と組み合わせて使うことによりリアクター壁面での寄生成長およびパーティクル生成等のCVD法での高度なSiC薄膜結晶成長解析が可能なアドオンソフトウェアです。
追加機能
CVD-SiCモデルにおけるシリコンパーティクル生成の拡張モデル
SiH4を用いたCVD-SiCにおいてシリコンのパーティクル生成が発生することが知られています。
実際にレーザースキャッタリングによってリアクター中にシリコンのクラスター層が形成されていることが確認されています[1]。
気相反応中でのクラスター生成は、SiH4流量に依存し、結果として原料となるシリコンのロスを生じ、成長速度の低下をもたらします。
さらに、シリコンの蒸気からパーティクルへの成長は、Si/C比に関係しており、これはSiC エピ層の品質に影響を与えます。
そのため、通常、クラスター生成が生じないような成長条件が好まれます。
従来の Si 蒸気からのパーティクル生成モデルに加えて、SiH4 分解物からのパーティクル生成への影響を考慮するために、モデルが拡張されました。 SiH4 分解物である SiH2, SiH などのラジカルは、反応性が高く、 パーティクルへの成長を促進します。 特に、SiH ラジカルの影響を説明するために、以下の様な反応機構を導入しました。
SiH (ads) <-> Si (liquid) + H (gas)
(ads)…吸着サイト、SiH (ads)…SiH吸着サイト
以上より、SiHのパーティクル表面へのフラックス (JSiH) は、以下の式で表されます。
K=K(T)…速度定数,Ke=Ke(T)…SiH(g)=Si(l)+H(g) における平衡定数,
vSiH…SiH分子の熱運動速度,pSiH, pH…SiH, Hの分圧
拡張モデルは、マルチウェハー型高温リアクターにおいて、温度・成長圧・キャリアガス流量とその流量比、シランの分圧などの条件から妥当性が検証されています。
反応器VP2000 5×3" における適用事例の一つを fig.1,2 に載せております[2]。
fig.1,2 はいずれも同じ結果ですが、fig.2 は、fig.1 の結果を径方向で平均化した分布になります。
成長レートが高いプロセス条件において、気相におけるシリコンのロスにより、供給量によって決まる最大効率の成長速度から低下していることが確認されます。
新バージョンでは、拡張モデルと、従来モデル(パーティクルがシリコン蒸気からのみ生成するモデル)を選択することができます。
選択するモデルは、 .SET ファイル内 の CONDENSATION のフラグで指定できます。
CONDENSATION のフラグは 0 :パーティクル生成無、1 :従来モデル、2 :拡張モデル です。
- R. Rupp, Yu.N. Makarov, H. Behner, A. Wiedenhofer, Phys. Stat. Sol.
(b) 202 (1997) 281. - A.N. Vorob'ev et al., Mat. Sci. Forum 353-356 (2001) 103.