製品情報
CFD-ACE+ 自身にも,論文等で知られている幾つかの反応モデルが標準装備されていますが,CVDの反応は非常に複雑な為,製造プロセスで必要となる全ての反応モデルが準備されているわけではありません.また,シミュレーションの結果は,多くは簡易な実験装置と比較したもので,実際の製造装置と比較・検討されているとは限りません.
一方,CVDSim の反応モデルは,STR及び協力する企業や大学において,実験結果との比較をお客様と一緒に行いつつ,反応モデルとしての妥当性を吟味した後にリリースされます.また,必要に応じて,気相中で生成されるクラスターの生成や寄生成長を考慮することにより,より現実的な気相・表面反応モデルとなっており,その成膜種も豊富です.
CVDSim の Module は,現在,以下の5種類をご利用頂けます.
1. Nitride Edition
NitrideEdition は,III属の窒化物に対する有機金属気相エピタキシャル成長(MOPVE)をシミュレーションする為の Module です.
標準的なプリカーサー ( TMAL,TMGa/TEGa,及び TMIn )を用い,GaN,,AlN,AlGaN,及び InGaN の成膜をカバーしています.
更に,気相中のナノパーティクルの生成やチャンバー内壁の寄生成長,合金組成についても考慮されています.
2. III-V Edition
III-V Editionは,III-V属の有機金属気相エピタキシャル成長(MOPVE)をシミュレーションする為の Module です.
TMAl,TMGa,TMIn 等の標準的なプリカーサーとアルシン・ホスフィン,キャリアガスとして H2 を用い,GaAs,AlGaAs,InP,InGaP,InGaAs,及び,InGaAlP 等のエピタキシャル成長をカバーします.
更に,GaAs,InP,Ge基板上に成膜した化合物の不整合歪みの効果,及びリアクター 内壁の寄生反応も考慮することが出来ます.
3. HVPE Edition
HVPE Edition は,H2/N2 をキャリアガスとし,液体Ga にHCl を供給して生成する GaCl,及びNH3 を用いた系において,ハイドライド気相エピタキシャル成長法(HVPE)によるGaN結晶成長をシミュレーションする為の Module です.
また,リアクター内壁の寄生反応,Ga と HCl との反応,及び GaCl 及び NH3 プリカーサーからの GaN成膜を考慮しています.
4. SiC Edition
SiC Edition は,SiC CVDを目的としたモジュールです.ガスは,水素で希釈したシランとプロパンの混合ガスを考慮しています.
表面反応モデルは,温度が低い反応律速の領域から拡散・脱離律速までの広い温度領域をカバーします.
成膜速度に影響する気相中のパーティクル生成と その輸送についても考慮されています.
5. Si Edition
Si Edition は,Cl プリカーサー ( TCS,又は DCS)からの Si の化学気相成長をシミュレーションする為の Module です.
気相反応は,リダクションを行ってステップ数を少なくしています.
表面反応モデルは,温度が低い反応律速の領域から拡散律速まで広い温度領域をカバーします.
また,リアクター内壁の寄生反応や塩素を含んだガス種のエッチング及び成膜も考慮されています.
各反応の素反応を全て考慮しようとすると,非常に数多くのステップが必要になりますが,CVDSimの反応モデルは,重要なパスに絞りセレクトすることにより,必要となるステップ及びレートコンスタントを考慮します.その結果,計算時間も比較的短い時間で済むことになります.
以下に,各 Module 毎にもう少し詳しくご説明致します.
1. Nitride Edition
例:GaN 成膜プロセスの気相反応モデル
比較的低温では,TMGaはアダクトを形成しますが,温度が高くなるにつれて,TMGaに戻り,分解が進みます.メチル基の遊離やアンモニアの分解物(NH2ラジカル)の反応を経由し,気相で GaNが生成され,最終的にはクラスターを形成します.
以下は,レーザースキャッタリングによる基板近傍のクラスターの写真の例です.
J.R. Creighon et. al, JCG 261, 204(2004)
GaN,AlN,及び,InN等のプロセスにおいて,このようなクラスターの形成が知られています.一般的に,クラスターの生成が多いほど成膜速度は低下する傾向があります.
CVDSim のクラスターモデルでは,粒径は比較的大きいと仮定し,拡散による輸送を考慮しない代わりに,対流と熱拡散(thermophoretic force )による輸送を考慮します.CFD-ACE+ の中では,user scalor の機能を用いてFlow 及び Heat と連成して解きます.
表面反応については,QTD ( Quasi-ThermoDynamic )モデルと呼ぶ準熱平衡モデルを考慮しています.ただし,成膜速度を決定付ける反応ステップについては,反応速度が考慮されています.
更に,寄生反応( parasitic deposition)を考慮し,基板上に成膜したい膜以外の付随的な成膜を考慮します.この寄生反応は,クラスターの生成と同様,リアクター内壁における原料ガスのロスを意味し,成膜種だけを考慮した反応モデルよりも,より現実的なモデルとして必要な要素の一つとなっています.
以下に,CVDSim を用いて計算・比較した結果の幾つかをご紹介します.
J.R. Creighton et. al, Electrochm. Soc Proc., 2002-3, 28 (2002)
このグラフは,基板を載せたディスクが回転するタイプのリアクターに関し,ディスクの回転速度に対する GaN 及び,AlN の成膜速度を比較したものです.各 transport limitは,導入したガスの流量や動作圧力から予想される最大効率に相当します.GaN の場合,回転数を上げるにつれて,予想される効率に近づくことが分かりますが,AlNの場合,気相中で生成されるクラスターとしてロスする割合が GaNの場合よりも大きく,ディスクの回転数を上げても,成膜レートを期待したほど高くすることは難しいことが分かります.
装置:AIX 2000HT ( 6x2" ) PlanetaryReactor
このグラフは, TMGaの流量に対する成膜速度を示したもので,流量を増やしても,成膜速度は線形にならない結果を示しています.クラスターの生成のみならず,寄生反応の影響が無視出来ない為であると考えられています.以下に,寄生反応の成膜速度分布の結果を示します.
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以下は,AlGaN 成膜において,ガスの流し方を比較・検討した結果の一例です.
以上のように,CVDSim を CFD-ACE+と組み合わせて用いることにより,プロセス条件や装置構成を検討する上で非常に有用な情報を得ることが可能なことが分かります.![]()
装置: AIX 200/4 RF-S
この結果から,ガスの流し方によって,膜中に含まれる Al の割合は異なることが分かります.inverted inletの例では,気相中のクラスター生成による Al のロスが影響していると考察されています.
2. III-V Edition
III-V属の MOPVE プロセスは,二元系( GaAs 等)の反応モデルについては以前から知られているものもありますが,三元系( AlGaAs等)の反応モデルについては,十分理解されているものは多くありません.以下の例では,AlGaAs 及び InGaPの計算例についてご紹介いたします.
例えば,以下のような装置( AIX 2400G3 ( 5x4" ) Planetary Reactor )による比較を見てみます.
1月10日現在,工事中.
3. HVPE Edition
準備中です.
4. SiC Edition
準備中です.
5. Si Edition
準備中です.
参考論文
準備中です.







