多岐管冷却板による作動流体の抜熱
AutoCADアドインソフトとして開発され、熱、輻射(オプション)、流れ(オプション)の解析をCAD上で行うためのモジュールです。
銅製の多岐管をアルミニウムプレート(厚み 1/2 inch, 縦x横 10.50x11.36 inch)に設置した冷却板の回路作成例, 及び, 計算例を御紹介します.
作動流体は 水/エチレングリコール(50/50)を使用します. 作動流体, プレート, 銅管, 及び, 環境の初期温度は 80 degF とします.
多岐管への流入箇所に, 機器からの排熱を模した 100 W の熱源を設置します.
加熱された作動流体が多岐管内を通過する過程において, 次のような伝熱を通じて作動流体を抜熱します.
- 作動流体から銅管
- 銅管からプレート
- プレートから環境
本解析例の趣旨は, どのくらいの時間でこの冷却装置の排熱能力の限界に達するか, を調べることです.
より具体的に言うと, 入熱に耐えながら, 作動流体の温度をリミット未満に保っていられる時間はどれくらいか, ということになります.

熱回路流路網 作成手順
1. プレート部位を作成する. 他のツールで作成した体積要素(Nastran 等)を読み込み(ThermalDesktop でも作成可), アルミニウム物性を設定する(要素分割を見る).
2. FloCAD Pipe with Wall マクロ機能を使用してプレート上に多岐管を作成する.
3. 以下 a, b 及び c の部品を作成する
- a. 圧力損失
- 作動流体が他の機材を通過する際の形状圧力損失を想定し, 圧力損失を持つ部品を設置する. ここでは, 損失係数を 500 とする.
- b. ポンプ
- ループ内の作動流体の駆動力としてポンプを設置する. ポンプの性能は, Q-H 曲線を直接入力して決める.
- c. アキュムレータを想定した流入流出境界要素
- 流入流出境界要素に 30 [psi](≒206843 [Pa])の圧力を設定し, 作動流体の蓄積/供給を模擬する.
4. プレートから環境への熱伝達を定義する. 操作手順:
- プレート表面(上の熱要素)と環境を代表する熱要素を選択する
- 熱伝達係数(ここでは 30 BTU/hr-ft2-F とする)を設定した後, '伝熱定義' ボタンを押す
相関式を使用して熱伝達係数を算出することも可能であるが, ここでは, 定数値を使用する.
5. 非定常計算の終了条件を設定する. 本計算例の趣旨は, 冷却装置が作動流体の温度をリミット未満に保っていられる時間を調べることであった. 従って, 本例では熱源付近の流体温度をタイムステップ毎に測定し, もし, その温度がリミットを超えていたら計算を終了するように設定する(Fortran による設定例).
計算結果例
323 秒で熱源付近の流体温度が 110 degF に達しました. つまり, 今回作成した冷却板は, 100 W の熱源に対し 323 秒までは流体温度を 110 degF 以下に保てた, という結果になります.
下右図はそのときのプレートと作動流体の温度分布です. 左図はプレートとパイプの温度です(画像をクリックすると, 温度の経時変化がアニメーションで御覧になれます).
お問い合わせは product@simscid.co.jp まで

